ピアノの正しい演奏姿勢についての考察
ここ何回かピアノの補助ペダルや足台のことを取り上げている。
いったい正しい姿勢は何故必要なのかということを考えてみたいためである。思い起こせば、とても酷い演奏をしていたころの子供たちの演奏姿勢はイスにふんぞり返っている、足がぶらぶらしている。イスが高くなりすぎていてもそのまま座ってピアノを弾き始める。足台を用意しても使い方がわからないので外して弾く。など原始人にパンツをはかせようとしている状態だったのだ。見た目が悪いということではなく、これが演奏に関わる本質的な重要な事柄であるというこが、みんなに認識されていなかったのだ。正しくない姿勢(つまりアクロバットのような危うい姿勢)でピアノを弾くのは実はとても弾きにくいことなのだということが解らなかったのだ。正しい姿勢で弾くことは実は自由に体をコントールできるポジションに自分を置くと言う事である。このようなことが普段から徹底できて向上が生まれたのである。いまでは原始人状態に戻りたいという子供はいない。姿勢の重要性が理解されたからである。
マスターはサックスを教えているのだが、基本的なことを再認識することが教えている過程でよくある。
サックスを振り回して吹くことは良くある。しかし、体がそれについて行かないということは絶対無い。楽器だけがあらぬ方向へ向かえば音を出すことは不可能になる。どれだけアバンギャルドな演奏する人でもここだけは外さない。主に口の中の状態を管楽器ではアンブシェアというがたとえばサックスのマウスピースを深く咥え過ぎてホゲェーという状態になっていればまともなタンギングをすることはまず不可能だ。つまりタンギングする舌の動けるスペースがないのだ。このタンギングというのはピアノでいえばタッチにあたる。レガートのタッチ、レガートタンギングなど。音色によりアンブシェアは少しずつ変化しているがある範囲をこえるとコントロール不可能になる。だから反対に正しいアンブシェアとはコントロール可能な状態にしておくことであるといえる。正しいアンブシェアを支えるために理にかなった正しい姿勢が必要とされる。同様にピアノにおいては、正しいタッチのためには、理にかなった正しい演奏姿勢が求められるのである。
ピアノと防音室の栗田楽器 栗田楽器
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