映画 「神童」というのを見たことがありますか？
音大を目指している浪人生のワオ君が
１３歳の神童ウタちゃんのピアノをそっくり真似して
入学演奏実技試験をトップで合格していまうと云う話です。
そんな子おらんやろ？こんなのはフィクションの世界だと
思っていました。
でも、いるんです、現実に！それもたくさん！
2010年12月２８日 杉並区の荻窪にある杉並公会堂で
第２０回日本クラシック音楽コンクールピアノ部門全国大会の
小学生の部が行われました。
全国の予選 → 地区本選を勝ち抜いた精鋭たちが
素晴らしい演奏をくりひろげます。
このコンクールには課題曲がなく、すべて自由曲です。
ですから、バロックやクラシックの名曲からロマン派
印象派、そして近現代の難曲まで、どれも素晴らしく
感動的な演奏を聴くことができました。
「実は大学生やろ！」「ほんとに小学生なのか？」
「不思議だが本当だ」の世界が目の前に！
そして、栗田音楽教室から全国大会に出場している
俵谷光さんの演奏がはじまりました。
俵谷光さんは滋賀予選から京都地区本選で
京都の代表として全国大会に出場しています。
曲はドビュッシーのアラベスク１番、２番です。
俵谷光さんの演奏は、とても優美でうっとりする
とても素晴らしいもので、私は客席でこの演奏を
誇りに思いながら、かみしめて聴いていました。
(写真撮影がはばかれる真剣な会場でしたので
ビデオからおこしたスナップを)↓
このピアノはベーゼンドルファーというオーストリアのピアノで
普通に弾くと柔らかい控えめな音がします。
(鳴らないピアノと言う人が多いです)
なので、声楽の伴奏に使われたりすることが多いのですが
でっかい外人のおじさんピアニストが弾くとびっくりする程良く鳴ります。
別名 貴婦人(気難しいから) 又は おっさんのピアノといいます。
俵谷光さんはこのピアノにもしっかり対応して印象派の音楽を
しっかり演奏することができました。とても良かったです。
この半年、ずっとこの曲に取り組んで頑張ってきた成果です。
光さんの曲はそういう曲ではありませんが
中にはこのピアノを雷鳴のように鳴らし切る小学生もいて
(そういう表現が必要な曲なのですが)
この世界の奥深さを存分に体験しました。
引っ張たいても、このピアノは応えてくれません。
よほどの、弾き手であるのでしょう。
私もふだんから保護者さんに「子供の可能性は無限大です！」
なんて言っていますが、やはり「この年齢の子供なら
この位のピアノを弾くのが普通」なんて、きめつけて
しまいがちです。
このコンクールほど子供の成長の可能性を
これほど感じ取る機会はないと思いました。
子供は何も言葉を知らずに生まれてくるのに
３歳ぐらいになればお話が上手になりますし
大人で自転車に乗れない人が乗れるように
なるにはとてつもない困難がありますが
小学校に入る前には自転車にも乗れます。
３歳から１０歳までの数年間に、大人が
一生かかっても習得できないほどの大量の
学習をしてしまうのですね。これは
行きの新幹線の中で五嶋龍さんのお母さんの
五嶋節さんの本を読んできました、
この本の受け売りです。
この本の中で子供の可能性について書いておられます。
「狼に育てられた人間は狼になる
狼に育てられても虎は虎にしかならない」
周りの人たちの関わり方が、子供の成長にいかに大事か
子供のピアノに関わっている私たちは限界を定めず
心して頑張らねばならないと改めにて感じたのでした。
今年もよろしくお願いします。
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